「志の輔らくご VOL.9 2004 by PARCO」★★★★★

志の輔らくご VOL.9 2004 by PARCO


今日、生まれて初めて落語というものを見に行った。どういういきさつで行こうと思ったのかあんまり覚えていないけれど、もしかすると、これを見て行ってみたくなったのかも知れない。


立川志の輔さん。「ためしてガッテン」なんかでよく見る人だし、今年で九回目だというんだから、間違いなくおもしろいんだろうと思って行ったのだが、始まる前まではいったい落語というのがどのようなものであるのかほとんど分かっていなかった。特に、着くのがギリギリになってしまったため、空腹状態のまま見る(聞く?)ことになってしまって、果たしてこの空腹を忘れてしまうほどおもしろいのだろうかと、半信半疑であったのだった。


座席の照明が落とされて、舞台だけが明るくなる。そこにあるのは木製のちょっとしたというか、形状的にはそれほど凝ったものではない舞台のようなものと座布団が引いてあるだけである。そこにいかにも落語家的な歩き方で登場する志の輔さん。僕はこの瞬間、これってものすごいことでは? と思った。満席になったたくさんの人々を前にただ一人、特別な仕掛けもなく(まぁ、あるにはあるんだけど・・・)、ひたすら自分のしゃべりだけで何時間も持たせるだけでもものすごいことである。


しかし、口を開いた瞬間からもうこっちが笑っちゃうんだからすごい。あっという間に心をつかんでいく。時事問題ネタとか、昔話ネタとか、ママさんコーラスネタとか、まったくこの人にかかるとみんなおもしろくなってしまう。そして、ただおもしろいだけでなくて、へぇ〜と感心させられてみたり、ほろりとさせられてみたり、勉強になったり、深い落語の世界を見てしまった感じである。


そんなこんなしていたら15分の休憩タイムになった。全然忘れていた空腹を思い出し、喫茶でホットドックを食べた。そしてふと時計に目をやると、1時間30分も経っていたのだった。そんなに時間が経っているなんて全然思っていなかったのだ。しきりに感心しっぱなしのまま後半突入。


後半は古典落語から「浜野矩随」。もちろん初めて聞いんだけど、ほとんど大部分は涙してしまうぐらいの人情話である。一人で話しているのに、その情景が目に浮かんでくるようだった。と思ったら、最後はしっかりと落ちがあって大笑い。終わったのは、10時近かった。


僕の知らない世界というのはまだまだあるなぁ。本当に楽しかった。5,500円なんて全然安いと思わせられた。


あんまり良かったので、AmazonでCD買っちゃったよ(^^;)。


志の輔 らくごBOX

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