コンビニ店員はいかなる接客をすべきか

今日、たまたま新しくできたセブンイレブンに入ったのだが、そこの店員が非常に丁寧な接客をしてくれた。レジの前に立つと、いらっしゃいませと深々とお辞儀をされ、スーパーのように購入品名と値段を読み上げられ、最後は指までついてありがとうございました、である。高島屋の店員かと思うぐらいだった。


普通はこのような丁寧な接客というのはうれしいものなのであるが、ことコンビニに限っては何とも言えない違和感を感じてしまう。僕の場合、コンビニは心のこもらない態度で接客してくれることを何となくどこかで期待している節がある。事務的に、機械的に、マニュアル30%実践的に、接してほしいのである。


一方で、これと同じ接客をレストランでされると不快になると思う。ファミレスはコンビニ+20%の好感度接客を求める。それなりのレストランだと対コンビニ20倍の好感度接客を求める。でも、コンビニでは好感接客はいらないのだ。


コンビニは、客が立ち読みしていようが、棚の後ろのほうから日付の新しいものを取り出していようが、放っておいてほしいものである。放っておくというか、そこに店員の干渉を感じさせない雰囲気が必要であるように思う。僕はほとんど立ち読みもしないし、日付をよく吟味したりもほとんどしないけど、でも、「店員の存在および干渉範囲がレジカウンター内で収まっている(ように感じる)」というのは、コンビニで気楽に買い物をしたい僕にとっては必要条件である。


こうしたことを考えてみると、人にはそれぞれのシチュエーションにおいて求めている接客態度というのがあり、それよりも良すぎても悪すぎても不快になるということが言えるのではないかと思えてくる。


たとえば、外国の接客態度は日本とはまた違って、たいていの場合、日本のほうが接客態度はすばらしいものがある。たとえ日本の接客態度が機械的であろうとマニュアル的であろうと何であろうとだ。外国に行って日本に帰ってくると、モスバーガーの店員にだってチップをうんと弾んであげたくなる。どこぞの良さげなレストランの店員に払ったチップを取り戻して、こっちに払ってあげたくなるのだ。


だから、たいていのシチュエーションにおいて、日本人が店員に求める接客態度はかなり高レベルなものであるということになる。そうすると、外国の店に行ったときのたいてい無愛想な接客態度にいらだつことになる。


しかし、いらだっていては良い思い出は作れないのだから、外国に行くときは、自分が求める接客態度の基準というものを全部ぶちこわして一から再構築するぐらいの気持ちで行くと、気持ちよく過ごせるのだ。そういうふうにすると、ほら、たとえ、カウンターの前に立っているのに店員がくっちゃべっていて対応してくれなかったり、インフォメーションカウンターで「はぁ?」と言われたり、タクシー運ちゃんが人を乗せている最中にダーリンに携帯電話で電話したりしていたって、別にいらだたないのである(ホントか?)。