嵐山を歩いて苔むす自然に癒される

天龍寺

最初に天龍寺の庭を見たときはショックを受けたな。あまりにすばらしくて。ただ、あまりにすばらしすぎてたったの一枚ですら上手な写真が撮れたためしがない、という庭でもある。というか、庭というのは本来写真を撮ろうというものじゃないんだろうなぁ。今回も庭はダメ写真しか撮れなかったので、載せない…。

庭はなんと言っても室内から見るのが一番いい。暗い室内を通して覗く庭は一つの絵になる。紅葉真っ盛りのときに天龍寺を貸し切って室内に座って庭を静かにながめる。あるいは冬の雪の日でもいい。そんな贅沢がしてみたい。



手前のスリッパの青と、奥の夫婦の雰囲気が好き。そして、畳に映る光の濃淡。


竹林

天龍寺の庭園を抜けると竹林があって、そこの雰囲気は最高にいい。今はオフシーズンなので人もまばらで写真も撮りやすい。ただ、今回は標準レンズ一本だけだったので、広角不足を痛感した。雰囲気を出すときには広角レンズは必須だな。

今回京都を回ってて思ったのが、女性の一人旅がけっこう多いということ。男の一人旅はあんまり見なかったな、目に入ってなかったからかもしれないけど。どうして京都に一人旅なんだろう、なんて余計なお世話的なことを考えたりするのも少し楽しい。


常寂光寺

天龍寺の人でごった返す庭園を抜けて竹林に入ると、意外と静かな雰囲気になる。さらに奥へ向かって歩いて行って、常寂光寺に着くころには、紅葉の季節でも少しほっとするような静けさを楽しめたりする。

京都で見た寺の中でどの寺が一番好きかと言われれば、たぶん常寂光寺と答えると思う。全体の雰囲気とか、もみじの配置とか、すごく落ち着く。だから、京都に来たときには絶対にここに来る。


常寂光寺は山の斜面にそって建てられているので、上り下りばかり。だから、途中の庭園のところで一休み。人もほかにはいない。

まったく個人的な感想ではあるけれど、ここの庭園は正直それほどでもない。寺全体が庭園で、その中の庭園はおまけに作りました、みたいな雰囲気がある。だから写真も大したのがないので載せない。しかし、一休みにするにはいいところなのだ、蚊さえいなければ…。

キノコってポップだよなぁ。

人の顔みたいな木の根もと。目ぢからを感じる。鼻から何か出てるけど。

「この胸は何かを叫んでる〜、それだけは真実〜」という平井堅の「Life is ...」を思い出した。この人は思いっきり何かを叫んでるわけだけど。

祇王寺

常寂光寺を出て、二尊院を過ぎて、少し奥に入ったところに祇王寺はある。今回初めて行った。

祇王寺というのは、平清盛が他の女性に気が移って捨てられたかなんかした人が母親と共にここにこもって念仏を唱える日々を送った、というようなところらしい。そんでもって、その「他の女性」というのも結局捨てられて、その人も一緒に念仏を唱えたとか何とか…。そういうイワクツキなところなのです。

念仏三昧の日々ってどうなんだろう。少なくとも楽しくないよな。僕はそういう日々を送る気にはとてもなれない。念仏三昧よりも旅三昧のほうが性に合ってる。

庵(?)の前は苔むした庭園で、雰囲気がいい。ここでも広角不足が悲しかった。

もみじっていうのは何がいいのかということを考えた。一番のポイントは、他の葉よりも光をよく通す、ということではないかと思った。だから、光のあたり方で表情が変わるし、あの独特の形の葉を透けて通ってくる光には柔らかさを感じる。

ここでお昼になったので、祇王寺の近くにある湯どうふ屋さんで食べた。なんていう店だったかな。ともかく火曜日だからなのか休みの店ばかりで、まともなものを食べれそうな雰囲気の店はそこしかなかった。でも、すごくおいしかった。メニューは湯どうふ定食(?)1,900円。

この後、大覚寺に行ったんだけど、大覚寺は写真としては見るべきものは何もない。貴族の館が寺になっているみたいなところだった。

龍安寺

時間が余ったので、石庭で有名な龍安寺にも行ってきた。

石庭というのはたぶん禅思想を視覚化したものだと思うんだけど、これだけ観光化されると、禅とは無縁の世界が繰り広げられているわけで、石が全部で15個あるんだ、とか言って大声で数えているおじさんがいるかと思えば、「近所の奥さんが○○でさぁ…」というファミレスの与太話と大して変わらない会話をしているおばさんがいて、その横であまりのうるささにウンザリ顔の外人がいる、という不思議な光景があるわけです。まぁ、禅とかそういう小難しいことは分からないけど、静かにしてほしいとは思いますね。




龍安寺は、昔は石庭じゃなくて、池の周りの回遊式庭園が有名だったらしいです。たしかに池のまわりを歩くと心地よいです。

祇園 割烹いがらし

夕飯は祇園にある割烹いがらしで食べた。ここは大人になって最初に来た京都でえいやっと入った料理屋さんで、そのとき日本料理のおいしさを再発見して、またいつか来たいと思ってたところ。

今回念願かなって食べれることになってうれしかった。ここは、まぁ1万円のおまかせだったからかもしれないけど、いわゆるベーシックな京料理を出してくれる。変にフカヒレとかそういうのじゃなくて、鱧吸いとかそういうのだ。こういうのがおいしいのだ。例によって、食事の写真は撮らなかったので、載せられない。やっぱり撮っておけばよかったかな。