京都1日目

祇園(食べたのはこの画像の店ではない


唐突だけど、京都に来ている(^_^;)。仕事になんとか一区切りがついたので、昨日思い立って今日来る、という超思いつきでやってきた。もう、かれこれ3年ぐらい前から、京都に行きたい、京都に行きたいと言っていたのであるが、基本的に出不精というか面倒くさがり屋だった僕はけっきょく行けずじまいだった。こういうのはまさに“思い立ったら吉日”で行動しないと、ずるずると行ってしまうことを知ったので、えいやっ、と来たのであった。


しかし、新幹線の速さには驚いた。新横浜からわずか2時間である。下手に普通電車で東京の上の方に行く方が時間がかかるかもしれない・・・。しかも、一分と違わずに予定時刻に到着した。これは恐るべき正確さである。新幹線の開業以来の平均遅延時間はわずか24秒だというから、ますますもって驚きである。フランスでTGVに乗ったときは3時間も遅れたぞ(--;)。


新幹線に乗って思ったのは、「新幹線」という名前にして本当に良かったね、ということである。これが「スーパーエキスプレス」とか、そういうありがちな横文字な名前になっていたとしたら、世界的にこれほど日本の技術力をアピールすることはできなかったのではないかと思うのだ。もちろん、新幹線のことを知っている外人は少ないだろうが、いずれにしても横文字の名前では、それが日本のものであることを識別できないのだ。昨今の「何でも横文字」という風潮も考えものである(このダイアリーのタイトルはどうなんだ、と言われると、何にも言えないんだけど・・・)。


京都に到着したのはちょうど昼で、駅ビルの中にあるホテルの天ぷら屋さんで天茶を食べて、ビールを飲んだ。さすがに天ぷら近藤の天茶には全然及ばないけど、おいしかった。エビ天二つに海苔天、あと何だったかな、あと数品の天ぷらがのったご飯にお茶をかけて食べるんだけど、味が基本的に何も付いていないので、けっこう塩をかけないとダメだった。でも、おいしかったよ。天ぷら近藤の天茶は、ホタテの貝柱が入ったかき揚げがご飯にのっていて、そこにお茶をかけて食べるのだが、ホタテの貝柱から出る塩気がお茶と混じり合って実においしいのである。もう、それまでさんざん天ぷらを食べまくって、おなかがいっぱいで張り裂けそうな状況であるにもかかわらず、それでもおいしいと思うのであるから、それだけ単品で食べたらどういうことになるんだろうと毎回思って帰ってくるのだ(まだ二回しか行ったことないけど・・・)。


それから、京都の駅前にある郵便局で駐車禁止の反則金を払った。普通の日常の中で払うといかにも“無駄な出費”感が強調されるが、旅行の中で払ってしまえば、何となく旅の費用の一部であるかのような錯覚を覚えて、精神的なショックが少ない、というより、ぜんぜんなかった。実に正解な行動であった。


今日は、それほど時間がないので、本格的にどこかに回ることはしないことにしていたので、今回の明確な目的の一つであった「サントリー山崎蒸留所に行く」というのをした。


蒸留所のある山崎は、京都駅から電車で13分ぐらいのところにある。けっこう近いのだ。白州のほうは山奥にあるというか、少し人里離れたところにあって、あぁ、南アルプスの天然水が流れてそうなところだなぁ、と思うのであるが、山崎は、えっ? ここ? って感じで、蒸留所内に一般道が走っているという感じで、ここに本当にそんなにすばらしい水がわき出しているのか心配になったのだが、心配無用だった。


一通り見学をした後に、試飲できる。山崎12年と響17年という黄金コンビである。おいしいお酒というのは作っているところで飲むのが一番おいしいというのがあるのだけど、この山崎のウィスキーも例外ではない。水のせいなのか、見学で聞いたうんちくを思い出しながら飲むからなのか、ちょっと分からないけど、たしかにおいしいのだった。


その後、僕はさらに有料のテイスティングセットというのも飲んでしまった。響のいくつかのバージョンが飲める特別のセットで1,700円。50.5という新発売のと、17年、21年、30年が飲める。30年ものオンリーのテイスティングが1,800円だから、けっこうお得だ。


50.5は基本的に17年ものであるということで、僕の鈍感な舌では17年と明確に分かる違いを感じることはできなかったが、さすがに、17年と21年と30年は違う。17年は(今回のラインナップの中ではということだけど)若い味がする。21年はそれをもっとまろやかにしたイメージ、30年は21年の後味をもっともっと複雑にしたような感じになる。もう少しこじゃれた表現方法もあるだろうが、飲みまくってしまった今日の頭ではそういう表現を思いつくことはできない・・・。


その後、ホテルに向かったわけだが、今日は祇園のところにあるホテルである。僕は、京都には高校生の修学旅行以来来たことがないので、距離感が分からない。だから、何となく略した地図のイメージをそのまま思い浮かべた結果、「歩けるんじゃないか」と思って、京都駅から祇園まで歩いたのだ! 大バカである。ものすごく遠かった(T_T)。なんやかんやと30分以上は歩いていたんじゃないかな。素直にタクシーを使えば良かったよ。。。


ホテルにチェックインして、少し休んでから、食事をしに行ったのだが、僕は祇園というところがどういうところであるかという予備知識をまったく持たずに出かけてしまったものだから、四条通を曲がって目の前に広がった祇園の光景に心を打たれてしまった。こんなに雰囲気のあるところがあったのか・・・。もう心をわくわくさせながら祇園の通りをぶらぶら歩き、いろいろな食べ物屋を見て回った。


どれもおいしそうである。なんやかんやと二往復ぐらいして、えいやっ、と、「割烹いがらし」という店に入った。他の店に入ったことがないので、比較はできないんだけど、めちゃくちゃおいしかった。


これまで、高級な料理というと、フレンチとかイタリアンとかしか食べたことがなかったんだけど、それらとはまたぜんぜん別格なおいしさである。やばい、と思った。おいしすぎる、と思った。最初から最後まで全部おいしいのだ。繊細で押しつけがましくはないが、それでも明確な存在をもった味である。「京の泉」という冷酒を飲みながら、ず〜っと「おいしい、おいしい」と言いながら感激しつつ食べた。約12,000円。十分そのお金だけの満足は得て店を後にした。最初はそこのご主人がこわいかなと思ったんだけど、そんなことはなくて、けっこう気楽に話せた。


祇園が気に入っちゃったので、延泊にしてしまった。明日は、定番の銀閣とかを回る予定だ。