ジョアン・ジルベルト「ジョアン・ジルベルト・イン・トーキョー」

ジョアン・ジルベルト・イン・トーキョー

ジョアン・ジルベルトのコンサートまでついに一週間を切った。僕は10月7日(木)の東京国際フォーラムのに行く予定だ。


数ヶ月前まで、僕はジョアン・ジルベルトの名前は知っていたけど、その音楽は聴いたことがなかった。そう、ジョアン・ジルベルトに関してはほとんどシロートで若輩者で無知である。


三月の水

そんな僕がなぜコンサートにまで出かけることになったかというと、まず「桜花通信」の桜花さんがしきりにおすすめしていたので、例によってAmazon.co.jpで「三月の水」(ASIN:B00008KKTU)というCDを購入したことから始まる。そして、タイトル曲の「三月の水」が流れ出した瞬間、思わず僕はうれしくなってにやけてしまった(本当の話だ・・・)。「これはすごい好きだ!」と思ったからである。


それとほぼ同時期に、「ほぼ日刊イトイ新聞」のジョアン・ジルベルトのコンサートチケット先行販売があって、試しに申し込んでみたら当たったのだ(^^;)。


コンサートに行くとなれば、可能な限りジョアン・ジルベルトの曲を聴いて、当日はその世界に完全に浸りたいので、いろいろとCDを買い集めた。そんな中でもお気に入りは、「ジョアン・ジルベルト・イン・トーキョー」だ*1


このアルバムは、昨年の東京国際フォーラムの二日目の演奏を収めたものみたいだが、もともとこういうアルバムを発売する予定はなかったらしい。というのも、ジョアン・ジルベルトって、ライブ版を発売したことはこれまで一度もなかったということで*2、このアルバムの元になっている音源は、本人の音確認用に録られていたDATだそうだ。しかし、そのときの演奏と会場の雰囲気と観客をジョアン本人が非常に気に入ったらしく、急遽発売ということになったそうである。


たしかに、なんかこのライブアルバムは良いのだ。適度に入る拍手や歓声、ギターの弾き語りオンリーというシンプルな構成ながら、いやそれだからこそ際だつジョアン・ジルベルトの音楽性のすばらしさというのが余さず収録されているように思う。


僕は、映画鑑賞用に買った5.1チャンネルのサラウンドスピーカーを持っているのだけど、そのスピーカーで聴きながら目を閉じると、なんか自分がその場にいるような感覚になってくる。もちろん、スピーカーが良くないので、音のリアリティという点では劣るかもしれない。でも、自分のまわりの四方から流れ込んでくるジョアンのギターと声は、本当に僕をそこにいた観客の一人であるかのようにしてくれる。そして、その観客の幸せな気持ちというのを感じることができるのだ。


CDでこれほどの気持ちになるとするならば、本当に目の前でそれを直に聴くとき、それはどんなにすばらしい感動となるのだろうかと、今から僕はドキドキしている。

*1:ジョアン・ジルベルト・イン・トーキョー」と「三月の水」には共通点がある。両方とも、ジョアンの声とギターがメインであるということだ。「三月の水」にはパーカッションも入っているが、そのシンプルな構成がかえってジョアンの魅力を引き出している。他のアルバムはストリングアレンジが入ったりしているけど、個人的にはシンプルなもののほうが好きだ。

*2:すみません、Amazon.co.jpを見ていたらライブ版がいくつか発売されていました。